セレンブレインのQ&A記者発表

セレンブレインに関するQ&A(記者発表)

考学館flexセレンブレイン


このページのQ&A(記者発表)は
考学館flexセレンブレインの開発者である
長洲氏と記者との質疑応答をまとめたものです。

  • (1)セレンブレインで効果を上げるには、どの程度の頻度でおこなえばいいのですか?1回にかける時間は、90分程度だったでしょうか?
    • 一般的に子どもたちは脳の活性度は高いので基本的に週一回の90分以内です。
  • (2)セレンブレインの語源はセレンディピティだと思いますが、
    セレンブレインがセレンディピティとどのように関係するのかをお聞かせください。
    • 脳科学の究極の目的とされるセレンディピティ(Serendipity)を実現させる脳(Brain)との願いを込めてSeren Brainと命名しました。
  • (3)セレンブレインに取り組むことで、能力のあがった子どもたちは、具体的にどのように変化しましたか?取り組む前はどうでしたか?取り組んだ後の、能力、学校の成績、表情、行動、考え方などの変化はどうですか?複数の事例をお聞かせいただければ、ありがたいです。
    • 約210名の小中学生に対して実施しました。受講者アンケート結果においては、
       ・集中力がついた。(31%)
       ・よく考えるようになった。(24%)
       ・ていねいに問題を読むようになった。(24%)
       ・小さなミスをしなくなった。(17%)
       ・その他。(4%)
       との回答を得ました。
       また、教科別得点変化では、
       ・算数の成績があがった。(57%)
       ・国語の成績があがった。(17%)
       ・理科の点数があがった。(5%)
       ・社会の点数があがった。(5%)
       (以上和歌山県立医科大学倫理委員会の提出資料内にて)
       との結果を得ています。
  • (4)同様に、認知症患者の変化もお聞かせください。
    • 県への報告書類の内容です。別紙「経過中に光トポグラフィー装置(ETG-4000、日立メディコ製)」を用いたNIRS(Near infra-red spectroscopy)検査を測定。セレンブレイン課題実行中に大脳のどの領域が活性化されているのを測定しました。
  • (5)一般的におこなわれている従来の記憶学習では、脳はどのように働いているのでしょうか?つまり、セレンブレインをやっているときの働きとはどのように異なるのでしょうか?
    • 決められた時間内で行われる学校教育の量と質においては、いつひらめくかわからないものを待つというような学習システムを切り捨てることで、教育が成り立っています。わたしたちはどうしても学習と聞くと、「外から答えが与えられて、それを勉強する。」という認識があるのです。
       しかし、それに対してひらめきによって起こる一発学習のような「洞察」(インサイト)による瞬間的な認識の「教師なし学習」においては、様々な学習スタイルの中での「創造性」を育むということに重点を置くという点です。(④と同様の資料参照。)
  • (6)同じ意味の質問になりますが、長洲社長が問題意識をもたれるきっかけとなった、頭をかきむしる子どもの脳は、そのときどのように働いていたのでしょうか?
    • 「頭をかきむしる子ども」は、医師に発達障害と診断されていました。
       発達障害の全容は解明されていませんが、山本朗先生(医学博士)に、セレンブレインに対する知見を述べて頂いた「児童精神科医から見た『セレンブレイン』」資料をご参照ください。
  • (7)セレンブレインによる適切なストレスと、詰め込み教育のストレスとは、どのように違いますか?
    • セレンブレインによる脳に対する負荷は、思考の現段階レベルに適切に合わせた内容・レベルにて行われます(脳の偶有性)。
       つまり、自己肯定感(達成感・優越感・自己重要感)を強化・育むように設定されています。
       よって、終了時には、快ストレスを感じるようになります。また、それらの継続によってストレスに強い脳(前頭前野)を作ることも想定されます。
  • (8)セレンブレインで計算やパズルを解くことによって、“ひらめき”と快感を経験し、その答えを強く定着させても、計算やパズルの答え自体は、あまり意味のあることではありません。
    それが、能力開発にはどのようにつながるのでしょうか?
  • (9)セレンブレインの効果について
    アハ体験の瞬間にドーパミンを分泌することで“意欲”が高まることはわかりましたが、“ひらめき”の能力を高めるのは、どのような原理でしょうか?
    • 質問(8)(9)に対して:
       計算やパズルの答えを強く定着させるのが最終的目的ではなく、その過程で脳のメカニズムを強化させるのを重要と考えます。
       強化学習・一発学習・ひらめき・教師なし学習といった内容での脳の働きが最重要であるということです。
       ※最新の学説(カリフォルニア大学工科大学:下條信輔教授)の論文の一部を参照してください。
       (4)・・・⑧、(6)・・・⑨に対応。
        /2008年10月4日(土)東京大学武田先端知ビル武田ホールにて発表。
  • (10)“ひらめき”を生み出しやすい脳の状態とは、どのような状態でしょうか?
    • 「ひらめき」を考察するうえで、「ど忘れ」の状態というのが、創造性とひらめきを要求している脳の状態と非常に似ていると言われています。記憶を最終的に処理する脳は、大脳皮質の側頭葉にあります。
       そこに前頭葉から記憶情報をリクエストすることになる。
       この情報伝達の創出する苦しみを脳が感じた瞬間こそ「ひらめき」を生みやすい状態といえます。
  • (11) “ひらめき”を生みやすい環境とは、どのような環境でしょうか?
    • ひらめくためには、考えることを脳に強制し、無理やり何かをひねり出すことは不可能です。
       ひらめきやすい環境とは、脳がリラックス(脱抑制)できる状態のことで極言するとひらめきは脳に対する抑制を外し、集中出来る状態ともいえます。
  • (12)セレンブレインで学習した子どもは、受験の直前でもリラックスできると聞きましたが、それを脳の働きから説明すると、どのような原理になりますか?
    • 緊張やストレスを緩和することに対して、脳内のドーパミンやセロトニンが大きな効果を発揮することは先行研究で知られています。
       セレンブレインに取り組んでいる時の状態を単純化して表すと、
       ---始まって脳に負荷をかける。(ドーパミン分泌・ノルアドレナリン大量分泌)
       ※注意の水準を上げ、脳を覚醒させる。
         ↓
       ---解ける可能性を感じている。(ドーパミン分泌・エンドルフィン分泌)
       ※多幸感や鎮痛効果に関わる内因性麻薬物質。
         ↓
       ---解ける可能性を更に強く感じている。
       (ドーパミン分泌・ストレス物質と並行してエンドルフィン分泌増加・その後ノルアドレナリン系の
       活動を抑えるようにセロトニン系の活動が高まる。)
          ↓
       ---解くことが出来た状態。(エンドルフィンが大量に放出され、最大のドーパミン分泌に結び付く。)
      これら一連の体験がセレンブレインのもたらすプレッシャーに対抗する普段からの訓練となると推察される。
  • (13)セレンブレインは“強化学習”の一種だと理解していますが、
    受験勉強は決まった答えを記憶する要素が強いと思われますので、
    “強化学習”であるセレンブレインの役割はそれほど大きくないのでは?
    • セレンブレインは「創造力」や「ひらめき」を育む学習システムとして存在します。
       今の受験勉強に必要な記憶というものも「脳の機能」の一要素としてとられています。
       ですから、意欲の向上や集中力を高める「強化学習」の回路を循環させる(脳の活性を高める)ことは大きな相関があると考えます。
       (※上の⑬も強化学習のモデルの一種と考えられます。)
  • (14)セレンブレインと同じような効果をもたらす日常的な場面には、
    どのような場面があるでしょうか?複数の事例をあげていただければ、ありがたいです。
    • ウォーキング中(慣れた行動)の様々な思考。
      読書でさまざまに思いをめぐらせる。
      未来のさまざまな夢をめぐらせる。
      ラジオを聴く。
      日記をつける。
      瞑想にふける。
      など
  • (15)認知症患者をもつ方に対して
    日常面でのアドバイスをするとすれば、どのようなアドバイスですか?
    • 認知症予防としては、脳の活性(脳トレ)、運動(ウォーキングなど)、食事の3点だと言えます。
  • (16)和歌山県立医大とのプロジェクトの概要をお聞かせください。
    どのような試験・評価をおこなっているのでしょうか?
    • 和歌山県立医科大学が作成した研究計画書(プロトコール)をご覧ください。
  • (17)最後におさらいとして、
    現在の教育が科学的におこなわれていないこと、
    今、科学的な教育が開花しつつあることを、お聞かせください。
    • 新しい科学の創発を認識した学習科学(認知神経学、認知科学、医学・教育学等の環学的融合)の創発。
       ①脳がどのように機能するのかのより一層の研究と解明。
       ②どういった学習方法が最上かの研究と解明。
       ③どういった教育が学習者に最上の支援を提供できるのかの研究と解明。
       セレンブレインが以上の指針の一助とでもなれれば最大の幸せです。

考学館flexセレンブレイン

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